展示会は何月に多いのか — 収録426件の開催時期データと逆算スケジュール
出展計画を立てるとき、意外と知られていないのが「展示会がいつ・どこに集中しているか」という全体像です。当社の展示会データベースに収録している国内B2B展示会426件(2026年7月時点・今後約1年の開催予定)を集計すると、開催時期には明確な山と谷があります。この偏りを知っているかどうかで、申込のタイミングも、社内の準備計画も、競合との重なり方も変わります。この記事では集計データを示した上で、逆算のスケジュールに落とし込みます。
開催は秋に集中する — 月別の分布
収録426件のうち開催月が判明している422件を開催開始月で集計すると、次のようになります。
| 月 | 件数 | 傾向 |
|---|---|---|
| 9月 | 103件 | 年間最大の山。全体の約24% |
| 11月 | 63件 | 秋の第2の山 |
| 10月 | 53件 | 9〜11月で計219件=約52% |
| 8月 | 46件 | 夏の山 |
| 2〜4月 | 各25〜30件 | 春の中規模な山(春開催の大型展はここ) |
| 12〜1月 | 各23〜29件 | やや少ない |
| 5月 | 13件 | 連休明けの谷 |
| 7月 | 8件 | 収録対象期間の関係で少ない(6月は0件) |
当社データベース収録426件のうち開催月判明422件(2026年7月時点・今後約1年の開催予定)の開始月集計。収録対象期間の影響を受けるため、確定的な季節統計ではなく傾向値として見ること。
秋(9〜11月)に約半数が集中する一方、5月は谷になります。この偏りは出展側に2つの意味を持ちます。第一に、秋出展は選択肢が最も多い反面、競合も顧客の予定も秋に集中するため、埋もれやすくなります。第二に、社内のリソース計画。秋に2展出るなら準備が夏に重なるので、担当者のキャパシティを先に確認する必要があります。
開催地は関東が298件と全体の約7割を占め、関西圏(関西・近畿タグ計)が約2割弱で続きます。地方開催は件数こそ少ないものの、その地域の顧客と会える希少な機会として別の価値があります。
業界別の開催時期の傾向 — 主要シリーズの実例
全体の山とは別に、業界ごとの「定番の時期」があります。当社データベース収録の主要シリーズの開催予定から、傾向の実例を挙げます(会期は毎年変わるため、あくまで収録時点の実例です)。
- 食品・飲料 — 年明け〜春に大型商談展が並ぶ(スーパーマーケット・トレードショーは2027年2月、FOODEX JAPANは2027年3月)。秋にも輸出入商談系(JFEXは2026年11月)があり、春夏・秋冬の仕入れサイクルと対応しています。
- エネルギー・環境 — 春秋制が定着(SMART ENERGY WEEKは首都圏で9月と3月、関西で11月)。半期ごとに商談機会が巡ってきます。
- エレクトロニクス — ネプコン ジャパンが東京2月・秋9月・名古屋11月と、年内に複数回の接点があります。
- 消費財・雑貨 — 東京ギフト・ショーが2月と9月の年2回。小売バイヤーの春夏・秋冬の仕入れ商談に対応した配置です。
- 介護 — CareTEXシリーズが7月の福岡から11月の北陸まで全国を巡回。時期ではなく「自社の商圏の開催回」で選ぶ業界です。
自社業界のシリーズ展がいつ巡ってくるかを年初に押さえておくと、「気づいたら申込締切が過ぎていた」という機会損失を防げます。業界ごとの選び方は業界別の記事で詳しく解説しています。
会期から逆算する — 申込と準備のスケジュール
人気の展示会は会期の半年〜1年前には募集が始まり、小間位置の選択肢は申込が早いほど広がります(締切・小間割のルールは展示会ごとに異なるため要項で確認)。目安として、次の逆算で動くと無理がありません。
- 6〜12ヶ月前
出展先の選定と申込
来場者属性データで候補を比較し、出展を決めて申し込みます。稟議・予算確保もこの段階。秋の展示会なら年明け〜春に動くイメージです。
- 3〜6ヶ月前
装飾・コンテンツの設計
ブース装飾の発注、デモ・展示物の企画、印刷物の設計。装飾会社の繁忙期(秋前)は納期が延びるので早めに押さえます。
- 1〜3ヶ月前
集客と運営準備
既存顧客・見込み客への招待状送付、事前アポ取り、スタッフの役割分担とトークの練習。会期直前の1ヶ月は集客活動に集中できる状態が理想です。
- 会期後2週間
フォローの実行
リードの仕分けとお礼メール、有望リードへの個別連絡。ここまでを「出展」の一部として最初から計画に入れます。
年間出展計画の立て方 — 山を避けるか、山に乗るか
- 主戦の1展を軸に年間を組む — まず自社ターゲットに最も合う展示会を1つ決め、その準備・フォローを軸に年間カレンダーを引きます。他の出展はその前後の負荷を見て足し引きします。
- 秋の2連戦は運用が破綻しやすい — 9月と10月に連続出展すると、1展目のフォローと2展目の直前準備が重なります。連戦するならフォロー体制を先に増強するか、会期の間隔を空けます。
- 春開催は「秋の予行」に使える — 同テーマの展示会が春秋にある場合、春に小さく出て運営を検証し、秋の本戦に投資する順序が組めます。
- 顧客の繁忙期を外す — 自社ではなく顧客が来られる時期かで考えます。決算期・業界の繁忙期と会期が重なる展示会は、同じ内容でも来場の質が変わります。
- 5月・年末年始は谷 — 選択肢は減りますが、競合の出展も減る時期です。ニッチな専門展がこの時期にあるなら、埋もれにくいという逆張りの価値があります。
よくある質問
初出展におすすめの時期はありますか?
準備期間を確保できる会期を選ぶのが最優先です。今から6ヶ月未満の会期は、申込・装飾・集客が全部駆け足になり、初出展の検証がしにくくなります。時期そのものより「準備に半年かけられるか」「自社と顧客の繁忙期を外せているか」で選んでください。秋は選択肢が多いぶん、春〜夏の準備をしっかり計画できる場合に向きます。
同じテーマの展示会が複数の時期にある場合、どう選べばいいですか?
来場者属性データの比較が第一ですが、データが拮抗しているなら「自社の商戦サイクル」で選びます。新製品の発表時期、顧客の予算検討時期、営業チームがフォローに動ける時期——この3つと会期の位置関係で決めると、同じ出展費用でも成果への変換効率が変わります。
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