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名刺の山で終わらせない — 展示会のリード獲得とヒアリングの設計

展示会の出展で大切なのは、商談先をどれだけ確保できるかです。ただ名刺を集めるだけでは商談にはつながりません。展示会のリードの価値は枚数ではなく、「その人が何に困っていて、どんな立場で、いつ検討するのか」をセットでどれだけ持ち帰ることが出来るかです。この記事では、リード獲得のあり方を展示会後のコミュニケーションから逆算して設計する方法をご紹介します。

「何枚集めたか」より「誰と何を話したか」

名刺だけのリードは、展示会後には「どんな会話をしたか思い出せない連絡先」になります。フォローメールも一律の文面しか送れず、返信率は上がりません。一方、課題と検討状況が記録されたリードは、営業がそのまま優先順位を付けて動くことができます。会話後30秒の記録が、展示会後の商談化率を左右します。獲得件数のKPIと合わせて「記録付きリードの割合」を追うことをおすすめします。

ヒアリング項目は3つに絞る

ブースでの会話は数分です。あれもこれも聞こうとすると尋問になり、記録も残りません。聞くことは3つに絞ります。

  • 課題何に困っているか、今日は何を探しに来たか
  • 検討状況情報収集か、比較検討中か。検討時期や予算の有無が聞ければなお良い
  • 立場現場の担当者か、選定・決裁に関わる立場か

3項目の聞き方(自然に聞ける言い回しの例)

課題:「今日はどんなテーマで回られているんですか?」 課題(深掘り):「今は〇〇をどうやって運用されてるんですか?」 検討状況:「導入するとしたら、いつ頃のイメージですか?」「他社製品もご覧になってます?」 立場:「ご導入の検討って、◇◇様の部署で進められるんですか?」 ポイント:質問攻めにせず、デモや事例の合間に1つずつ挟む。3つ聞けたら十分。

この3つが揃うと、展示会後に「誰から・どの順で・何を持って」フォローするかが決まります。逆にどれかが欠けると、フォローの優先順位が勘に頼ることになります。

記録の仕組みは展示会前に作る

記録は、誰でもわかるように仕組みで残しましょう。名刺管理アプリを使う、紙のヒアリングシートを名刺に留めるなど方法は何でも構いませんが、「名刺交換したその場で、30秒以内に残せる」形式であることが条件です。ヒアリング内容を選択肢(チェックボックス)で記録できるようにしておくと、対応者の負担も抑えることができます。

ヒアリングシートの記入例。1.課題(人手不足・品質ミス削減にチェック)、2.検討状況(比較検討中・半年以内にチェック)、3.立場(選定に関与にチェック)、4.話した内容(検査工程2名分の工数が課題。9月の稟議に向けて比較中。A社製品も見ている、デモの反応良、導入事例を求めていた)、5.ランクはAに丸、次アクションは7月1日15時オンラインデモ。名刺にこのメモを留めて回収し、記入は30秒以内で終わる項目数に絞る
ヒアリングシートの記入例。チェック中心で自由記述は2行だけ。これなら混雑時間帯でも負担が少ない。

チケット用バーコードリーダーや名刺アプリを使う場合も、この5項目(課題・検討状況・立場・メモ・ランク)をメモ欄の定型フォーマットとして決めておくと、ツールが変わっても記録の質が揃います。

優先順位の基準をチームで揃える

優先順位の基準が人によって違うと、展示会後のフォローにも支障をきたします。展示会前に基準を決めておき、当日朝礼などで確認しておきましょう。

優先順位つけ事例

  • Aランク — 課題が明確で検討時期も明確

    展示会中に次のアクション(訪問・オンライン商談の日程)まで決めるのが理想です。決められなかった場合も、展示会後1週間以内に担当営業から個別に連絡しましょう。

  • Bランク — 課題はあるが時期は未定

    一律の売り込みではなく、課題に対応する事例・資料を添えて個別にフォローしましょう。検討し出したときに最初に思い出してもらえるのが目的です。

  • Cランク — 情報収集段階

    お礼メールの後はメールマガジンなど継続的な接点に乗せて育成します。ここに営業の時間を使いすぎないことが、商談化率を上げることにも繋がります。

ノベルティ目当ての来場者とどう向き合うか

ノベルティ配布で名刺獲得数を稼ぐと、リードの総数は増えますが有効リード率は下がります。それ自体は悪いことではありませんが、問題は、ノベルティだけのリードとヒアリング済みリードが同じ扱いで営業に渡ることです。記録時に、総数と有効数を分けて評価できる仕組みが備わっていれば、営業担当のフォローも行いやすくなります。「配る代わりにひと言だけ課題を聞く」を徹底するだけでも、リードの質は変わります。

よくある質問

バーコードリーダーと紙のヒアリングシート、どちらがいいですか?

併用が現実的です。バーコードリーダー(来場証スキャン)は連絡先の正確な取得に強く、打ち込みの手間がありません。一方で課題・ランクなどの定性情報はメモ欄に残しにくいため、会話した相手には紙のシートやアプリのメモを重ねます。「スキャン=全員、シート=会話した人」と使い分けるのが運用しやすい形です。

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